ダンサーは自分の売り場を考えるべき
- ダンスには矛盾した2つの要素がある
- 成功しやすいダンサー、成功しにくいダンサー
- 自己表現ダンサーには既存の売り場がない
- 売り場を間違えるダンサー
- 自己表現ダンサーを目指す前に協調性を磨け
- ダンサーとして生きる人へ
つい先日、ダンサー派遣(バックダンサーのオーディション等)における、『ありがちな問題』について、仲間と話をする機会がありました。
今回は、ダンサーやパフォーマーとして仕事をするのであれば、必ず知っておくべきことを書いていきたいと思います。
ダンスには矛盾した2つの要素がある
まさに、先日仲間と話していた内容です。
ダンスにはそもそも、矛盾した2つの要素があります。
それはこちらです。
- 自己表現
- 協調性
自分の売り場を把握することにおいて、
この2つの要素で『自分がどちらを得意としているのか?(やりたいのか)』をまずは把握しておく必要があります。
自己表現としてのダンスといえば、ストリートダンサーに多く見られるかもしれません。
ダンスバトルなんか、まさにそうですよね。
協調性としてのダンスは、どちらかといえばシアター系のダンサーに多く見られるかもしれません。
舞台向きであったり大衆向けのジャンルであることが多いです。
成功しやすいダンサー、成功しにくいダンサー
この2つを比べてみると、
「ダンスはユニゾン!協調性が一番大事でしょう!」と考えている方は、自己表現を大事にするダンサーよりも比較的、成功する可能性が高いと言えます。
それはなぜかというと、ライブやコンサートなどで主役を引き立てたり、ステージ全体を考えて、お客様のために皆で作り上げた作品を提供しよう、という協調性にフォーカスできるからです。
反対に、自己表現を大事にしているダンサーはどうでしょうか。
実は現代では、この自己表現としてのダンスを仕事に結びつけることがなかなか難しい場合が多いです。
それは、仕事として成功するために自分自身に必要な要素が多くあるためです。
少し考えてみれば、物凄く簡単な理屈です。
自己表現ダンサーには既存の売り場がない
協調性ダンサーは、高い需要の中でチーム力を使ってお客様を満足させることができますが、
自己表現ダンサーは自分1人の力、もしくは個性的な仲間同士で、お客様の需要を生み出さなくてはなりません。
自己表現を大事にするということは、
厳しい言い方をすれば、どうしても『自分本意の考え方に偏りがち』になってしまう、ということです。
『ダンスは自分を表現するものだ!』ということなのですから、そもそも『お客様目線ではない』ということです。
このように自己表現ダンサーは、
協調性ダンサーより、売れることがよっぽど難しい(仕事として成り立ちにくい)、ということがよく分かります。
売り場を間違えるダンサー
若手ダンサーに良くある間違いがあります。
それは、『協調性を売り込む場所で自己表現を売ろうとしてしまう』いわば、売り場を間違えてしまう行為です。
自己表現ダンサーが、バックダンスのオーディションに受からない、という明確な理由は、
ジャッジ側がそれを読み取っているから、とも言えます。
自己表現としてのダンスを売りたいのに『仕事をしたいから』という理由で、協調性が求められる売り場に入ってはいけません。
極端な例でいえば、
殺陣のシーンで、あなたはやられ役なのに、主役を斬ろうとしているようなものです。。。笑
(そもそもダンス業界には殺陣でいうところの『やられ役』しか一般的には用意されていない)
このように『大衆が求めている既存の売り場』では、自己表現を仕事にすることはできない、ということを必ず理解しておく必要があり、
また、自己表現で食べていきたいのであれば『他人が作った売り場に乗っかるのではなく、自分自身で売り場を作る必要がある』ということを絶対に知っておくべきです。
自己表現としてのダンスが好きだから、自分はこの道で進みたい!と決めたのであれば、決して売り場を間違えてはいけません。
自己表現ダンサーを目指す前に協調性を磨け
僕自身の話をすると、まさに、この自己表現ダンサーでした。
今でも協調性を求められる場所は少し苦手です。
しかし、一流のダンサーはこの矛盾した2面性を、技術と経験で上手に切り替えています。
現代において、ダンサーとして成功する一番の近道は、
まずは協調性を意識したダンスの技術を磨くことであり、最終的に自己表現を売りたいのであれば、少し我慢する時期が必要なのかもしれません。
なぜなら、協調性が求められる現場には多くの人が集まる傾向があり、需要があるため、
自分への認知を上げたり、ファン獲得には一番の近道になることは間違いないからです。
まずはこの場所に適応し、乗っかってしまえ、ということです。
しかし、反対に、ここに留まってしまうダンサーがめちゃくちゃ多いと感じています。
協調性ダンサーとしてしっかりファン(認知)をつけた上で、自己表現ダンサーとしても活動し、お客様を満足されられるパフォーマンスを模索し続ける、という流れが一番なのでは、と思います。
僕はこのことに気がつくのが、遅すぎたかもしれません。。。笑
ダンサーとして生きる人へ
僕自身、今ではスタートからゴールまで、
自己表現ダンサー(加えて今は企画者)として進むことに決めています。
20代の頃よりも、少しだけお客様のことを考えて、自分のダンスや作品作り、企画と向き合うことができるようになってきたので、成功する可能性は少しづつ増してきているんじゃないかな?とも思っています。
ちなみに、
読んでお分かりかもしれませんが、、、僕は自己表現ダンサーがめちゃくちゃ好きです。笑
ダンスをやるなら、「自分が一番目立ちたい、自分の生き様を売りたい!」その純粋な気持ちは物凄く共感します。
また、協調性ダンサーとして長期に渡り活躍している(ファンが多くついている)ダンサーへの思いもあります。
そろそろ自分自身を売り込んでも良いのではないでしょうか。
応援しています!
ダンサー(プレイヤー)としての活動だけに拘りはありませんが、僕も自己表現に需要を生み出す側として、がんばります!